社会福祉法人 豊和福祉会 れいんぼー幼児園様

2025.09.24
実績について

れいんぼー幼児園さんは、福岡県糟屋郡にある認定こども園です。
2024年度(令和6年度)から「1on1」、「チームビルディング会議」、「チームビルディング研修」などをご導入いただいている宮城園長、渋田副園長兼主幹にお話を伺いました。

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    ※1on1とは?
    →れいんぼー幼児園さんでは、新入職員さんと弊社金澤で定期的な1対1の面談を行いました。
    初年度の1年間に1on1で振り返りを行い、相談事や悩み事を明確にして管理職との連携につなげています。
  • ※チームビルディング会議とは?
    →会議ファシリテーターが園の問題解決をお手伝いします。
    園の主要メンバーで現在の問題を棚卸しして、その解決や振り返り・改善のための話し合いをサポートします。
  • ※チームビルディング研修とは?
    →心と体を動かす体験&対話型の研修です。楽しみながら課題解決ゲームに取り組み、コミュニケーションの活性化を狙います。
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――最初は理事長先生からチームビルディングの話があったと思うのですが、どう思いましたか?
宮城園長:私たちは、令和4年度に町立から民営化され、幼稚園と保育園を一つにして新しくこども園という形になりました。元々いた先生たちと色々な所からきた先生たちが一緒にやっていくので、毎日手探りな中でとても忙しく大変な時期でした。
そんな時期を経て、もっとみんなで学べる時間があったり、横のつながりや人間関係を繋ぐ何かがあったらいいなと思っていたので、やってみようと思いました。

 

――チームビルディングの導入にあまり抵抗はなかったですか?
宮城園長:抵抗というか、どんなことをするのだろうっていう思いはありました。あとは、業務が増えるのかな、準備や時間を作らないといけないのかなとは思いました。けれど、自分たちだけではなくて、外部の方がいるんだったら知恵を借りようかなという思いが強かったと思います。

 

――チームビルディングを始めた頃は、どんなことに課題感を持っていましたか?
渋田副園長:町立の頃のやり方と、豊和福祉会としてのやり方が混ざり切っていない時期だったので、混乱はしていましたね。保育の中での一つ一つが、これまでのやり方・流れになりがちでした。でも今の私たちとしてはこういう風にしていきたいということが上手く伝わらなくて。本当に多様なバックグラウンドの先生たちが集まっていたので、みんなが同じ方向を向くというのが難しいなと思っていました。

 

――民営化は、これまでの流れも大切にしながら新しくつくっていく部分も多くて本当に難しいですよね。
宮城園長:そうですね。多忙すぎて当時の記憶があまりないんです(笑)
でも最初から、5年くらい経ってみんなが同じ方向を向いたらいいなと思っていました。今までいた子どもたち・保護者の方・職員たちがいるのに、急に新しい法人が来たからって1年目からトップダウンで進めてガラッと変えちゃうのはどうなのかと思って。5年くらいは町立の良さも残し、豊和福祉会としてやっていきたいところをじわじわ入れながらやっていこうという思いがありました。
3年目の令和6年になり、これから更にみんなで同じ方向を向いてやっていこうというときにチームビルディングスさんに入っていただいたので、よかったなと思っています。
ちょうど新卒の先生が2人入ったタイミングでもあったので、ともちゃん(弊社 金澤)の1on1があるのがすごくありがたくて。

 

――1on1は実際に導入してみていかがでしたか?
宮城園長:とてもよかったですね。1on1を始める前に、とにかく2人を輝くようにしてほしいんだと私の想いをともちゃんにしっかり聞いてもらいました。
実際に1on1が始まってみると、2人の表情がとても良くて安心して仕事ができていそうだなと感じました。もちろん、途中で精神的に辛そうなときもあったのですが、そこのケアが早くできましたね。ともちゃんからもサインをもらえたし、私たちの方で見ていて気になったときは、次の1on1でともちゃんからフォローしてもらうといった連携ができて、すごく良かったですね。

 

渋田副園長:評価などを気にせず純粋に自分の弱みや苦手意識についても言葉に出して振り返ることができたのだと思います。私たちだとどうしても上司になるので、「こういう風に言ったらまずいかな」と思ってしまいますよね。それを気にせずに「ここ困ってるんだね」と話を聞いてもらえて、安心もできたんじゃないかな。
あとは1on1があったおかげで、上手く気持ちを受け流すことができているなと思います。多分今も困っていることはあると思うけれど、その中でも「こうします」みたいに話してくれたり、メンタルが強くなってきてると感じます。たくましいですね。

 

宮城園長:本当に力強くなっていますね。
今の先生たちって養成校でもPDCAサイクルを保育の業務として学んできているんです。なので、ともちゃんと一緒に振り返って、次はどうしていくかを考えて行動してみるというサイクルがきちんと経験できたのが良かったと思います。2年目の今年は1on1を行っていないのですが、去年その経験をしたから今年は自走できていますね。
上手くいかなかったことがあったとしても「失敗した、ダメだった」という思考回路ではないんですよ。ダメだったとは一瞬思うけれど、「じゃあどうしていこうか」という考えが出せるように成長してきているので、本当にすごいなぁと思っています。

 

――では、チームビルディング会議はやってみていかがでしょうか?
渋田副園長:毎回の会議では、その期間までを振り返って、よかったところと上手くいっていないところ、次の問題・改善策を話し合うので、それがとてもいいなと思っています。
また、会議に第三者が入ることで、他の先生たちも話がスッと入りやすい部分はあるのかな。自分たちだけだと、上から言われたことだからやらなきゃいけないという感じになってしまいがちなので。
また、トミー(弊社 富川)が自分の悩みや困ってることを言うと違った角度で話をしてくれるので「あ、そうしたらいいんだ」と自分の気持ちもコントロールできるようになってきている気がします。あとは、物事の考え方や人とのかかわり方に関する豆知識をいつも教えてくれるので、それが楽しみです(笑)

宮城園長:会議ではプラス面もマイナス面もふせんに書いて文字にしますよね。そうやってみんなが意見を出せるようになったのがとてもいいなと思っています。特にマイナス面って言いたくないじゃないですか。でもそれを出して理解し合って、受け止めあえるような土壌になってきています。
さらに意見を出した後、フラットに「じゃあどうしていく?」とやることを決めて進んでいけるので、そこも本当に助かっています。いわゆる研修って、受けてその場で気持ちよくなって「よし、頑張るぞ!」って言いつつ、続かないことが結構多いですよね。でもチームビルディング会議では、また次の会議でちゃんと振り返りがあるので、「あ、これは忘れていたから次は気をつけよう」とか、「ここまでできたから次こうしてみよう」と繋げていくことができています。

 

――会議で決めたことを実行して、また振り返るというサイクルが回っているんですね。
宮城園長:きちんと意識しますよね。正直忘れていて「あ、やるって言ったあれは締め切り何日だったっけ?」というのもあるんですよ。実際できなかったということもあるし。それもあるけれど、やっぱりそこが問題として上がっているから、それを流さずに突き詰めてもらえるのはありがたいなと思っています。自分たちだけでやると「できなかったね、忙しかったね、しょうがないね」って終わりがちなので。

 

――第三者がいることの効果を感じてくださっているのですね。
宮城園長:チームビルディング会議でやっていることって、本来園でやろうと思えばできるのかもしれないけれど、第三者の方にファシリテーションしてもらえることの良さをすごく感じていますね。
園長の立場ってやっぱり難しくて。例えば会議をしたら、自分の意見があって、違う意見もあって、最後にそれをまとめて軌道に乗せていくことがなかなか上手くいかない時ってあるんですよね。でもトミーがファシリテーターとして会議にいてくれると、私の想いや法人の想いを汲み取った上で、「じゃあどうしていきましょうかね?、あなたはどう思っているの?、じゃあそれをいつまでにやりますか?」って軌道に乗せてもらえるので、みんなが納得して問題の解決に向かっていけるというのが本当にありがたいです。
トミーがいてくれるので、私も他のメンバーが話す言葉を客観的に聞けるんですよね。
「あ、こんなこと考えてるんだな」って非常によく分かったり、それを解決していきたいのか、ただ吐き出したいだけなのかも冷静に把握できるようになりました。

 

――そうなんですね。
宮城園長:第三者でありながらも、園の考え方や私たちの想いを理解してくださっているので、トミーには本当に伴走してもらってるなと思っています。
だから困ったことがあったら、トミーに電話で相談したりもしています。その時もすごく丁寧に聞いてくださって。自分の想いや本音を聞いてくださるので、味方が増えるというか、とても心強いです。園長になってみて、「園長って相談する人いないじゃない!」と気づいて(笑)

 

――園長先生が全てをさらけ出して話せる相談相手ってなかなかいないですよね。
宮城園長:そうそう。でもトミーは現場のメンバーを分かっていて、今はこうなってるからここが大変っていうのも分かってくださってるので、たまに電話かけて「すみません、お時間いいですか?」って言って赤裸々に話をしています。聞いてくださるのが本当にありがたくて、とても助かっています。

 

――ではチームビルディングを通して、職員さんの変化はありましたか?
渋田副園長:職員が「でも…だって…」とネガティブな思考に入りかけていたり、違う方向に進みかけているときに、園の方針などに沿って「こうだよね、前にこういう話だったよね」と話すと「あ、そうですね」とスイッチの切り替えができるようになってきたかなと思います。いつまでも「でもこうじゃないですか?あぁじゃないですか?」っていうのが少なくなって軌道修正しやすくなりましたね。

 

宮城園長:最近は私たちも「期限を決める」ことが非常に大事だと思っていて、それが職員にも浸透してきました。例えば、この書類は8月末には絶対に出さないといけないんだけど、1回チェックがあるからいつまでに出せる?と聞いて、自分で決めてもらうこともあります。
締め切りを意識することで動きが変わるじゃないですか。そこを意識できるようになったことで、自分の中で何をしないといけないかを見つけられる人たちも増えてきて、前に進んでいける人が出てきたというのは変化ですね。

 

――1歩ずつみなさんの行動が変わっているのは素晴らしいですね。
では、ご自身の変化はありましたか?
渋田副園長:言葉選びや対応の仕方の変化ですかね。会議や研修などを通して、先生たちの色んなタイプが見えたので、その人に合った言葉がけや対応の仕方ってそれぞれ違うなと。あとは、表面だけじゃなくて、それをしている裏に何があるんだろう?と考えられるようになったので、それを踏まえて話をしたり聞いたりすることができるようになりました。直球だけじゃなくて、カーブも投げられるし、いろんな変化球を交えながら話ができるようになった感じですかね。

 

宮城園長:一生懸命やっていると主観的な考えが強くなっちゃうんですが、「第三者だったらどう言うのかな?、トミーだったらどう言うのかな?」と客観的に見られる視点が自分の中に増えました。渦中に入ると、この人の気持ちもわかる、こっちも分かるってなってしまうんですよね。ただ受け止めすぎてどうしたらいいか分からなくなってもいけないので、「じゃあどうするか?」を決めて判断しないといけないなという自覚ができてきました。
園長って決めないといけないことばかりじゃないですか。理事長によく「覚悟の領域だね」と言われるんですけど、そこが少し分かってきました。先生たちも頑張っているから、自分も頑張ろうという思いで、止まらずに進んでいこうという気持ちがすごく強くなってきたと感じています。

 

――素敵な変化ですね。今年度もそんな皆さんのお力になれたらと思っています。
本日はお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。